TOP >  診療科目 >  循環器内科 >  虚血性心疾患の治療

虚血性心疾患の治療

  1. 内科的治療:薬物療法、生活習慣の改善
  2. カテーテル治療
    (経皮的冠動脈形成術:PCI;Percutaneous Coronary Intervention)
  3. 外科的治療(冠動脈バイパス術:CABG)

 ここでは、2.カテーテル治療(PCI)についてお話します。


 PCIとは、狭くなった冠動脈をカテーテルによって広げ、血流を再開させるカテーテル治療法(冠動脈形成術)を呼びます。PCIでは、まず、手首、肘または大腿部の動脈から直径2~3mmほどの細い管(カテーテル)を挿入し、冠動脈の入り口まで進めます。次に、このカテーテルの中にワイヤーと呼ばれる細い針金を用いて狭くなった血管(閉塞した血管)の中に通します。続いて、狭くなった冠動脈の部位に風船をふくらませて冠動脈を広げる「バルーン治療」、金属の網状の筒を血管内で広げて置いてくる「ステント治療」、動脈硬化の部分を金属の先端に人工のダイヤモンドがついた小さなドリルで削り取る「ロータブレーター治療」を行います。


◆バルーン治療

バルーン治療
① ガイドワイヤーを血管の狭窄部に進め、狭窄部の先まで通す
バルーン治療
② ガイドワイヤーを軸として、バルーンを狭窄部に誘導する
バルーン治療
③ バルーンをふくらませて、血管を内側から押し広げる
バルーン治療
④ バルーンをしぼませて、引き抜く

◆ステント治療

バルーン治療
① ガイドワイヤーを血管の狭窄部に進め、狭窄部の先まで通す
ステント治療
② ガイドワイヤーを軸にバルーンにステントをかぶせたカテーテルを狭窄部まで誘導する
ステント治療
③ バルーンをふくらませて、 血管を内側から押し広げ、ステントを血管壁に圧着する
ステント治療
④ バルーンをしぼませて、引き抜く

◆ロータブレータ治療

ロータブレータ治療

バルーン治療で効果がない硬い病変に対して、高速で回転するダイヤモンドのドリルを貫通させ血管を拡げます。


◆エキシマレーザー治療(ELCA):高度先進医療

エキシマレーザー治療(ELCA):高度先進医療

エキシマレーザー冠動脈形成術は、1983年に初めて臨床に使用されて以来、特に米国において数多く使用されてきました。原理は、キセノンクロライド(XeCl)エキシマレーザー(308nm、光子エネルギー)を、発生装置からレーザーカテーテルを通じて、心臓の血管内に生じた動脈硬化性病変を蒸散させることで、血流の確保を行う治療です。本治療はPCI(バルーン治療)で困難な場合に適応されます。


↑ページのトップへ