虚血性心疾患の治療
- 内科的治療:薬物療法、生活習慣の改善
- カテーテル治療
(経皮的冠動脈形成術:PCI;Percutaneous Coronary Intervention) - 外科的治療(冠動脈バイパス術:CABG)
ここでは、2.カテーテル治療(PCI)についてお話します。
PCIとは、狭くなった冠動脈をカテーテルによって広げ、血流を再開させるカテーテル治療法(冠動脈形成術)を呼びます。PCIでは、まず、手首、肘または大腿部の動脈から直径2~3mmほどの細い管(カテーテル)を挿入し、冠動脈の入り口まで進めます。次に、このカテーテルの中にワイヤーと呼ばれる細い針金を用いて狭くなった血管(閉塞した血管)の中に通します。続いて、狭くなった冠動脈の部位に風船をふくらませて冠動脈を広げる「バルーン治療」、金属の網状の筒を血管内で広げて置いてくる「ステント治療」、動脈硬化の部分を金属の先端に人工のダイヤモンドがついた小さなドリルで削り取る「ロータブレーター治療」を行います。
◆バルーン治療
◆ステント治療
◆ロータブレータ治療
バルーン治療で効果がない硬い病変に対して、高速で回転するダイヤモンドのドリルを貫通させ血管を拡げます。
◆エキシマレーザー治療(ELCA):高度先進医療
エキシマレーザー冠動脈形成術は、1983年に初めて臨床に使用されて以来、特に米国において数多く使用されてきました。原理は、キセノンクロライド(XeCl)エキシマレーザー(308nm、光子エネルギー)を、発生装置からレーザーカテーテルを通じて、心臓の血管内に生じた動脈硬化性病変を蒸散させることで、血流の確保を行う治療です。本治療はPCI(バルーン治療)で困難な場合に適応されます。