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不整脈の治療

高周波カテーテルアブレーション

 カテーテルアブレーションとは、不整脈に対して行うカテーテル治療です。狭心症や心筋梗塞の治療でもカテーテル治療が行われますが、これら虚血性心疾患に用いられるカテーテルと不整脈治療に用いられるカテーテルでは種類や治療方法が全く異なります。カテーテルアブレーションのおよその流れは以下のようになります。

高周波カテーテルアブレーション

 電極のついた電極カテーテルを複数用いて、これらを心臓内や心臓の周囲の静脈内などに留置し、不整脈の原因を探る検査をまず行います。電極カテーテルから心拍数130~200程度の頻拍刺激をくわえたり、わざとタイミングをずらしてペーシングをすることで、不整脈を誘発したり不整脈の素因を調べることが可能です。このような検査を電気生理検査といいます。

 電気生理検査でわかる不整脈の素因やメカニズムは、以下の3つに大きく分類されます。

(1)異常自動能
(2)triggered activity (撃発活動)
(3)リエントリー

高周波カテーテルアブレーション

正常な心筋の興奮が、これらの不整脈の素因によって乱れる場合に不整脈が出現します。不整脈の素因が(1)(2)においては洞結節と異なる病的部位から興奮が出現しますし、不整脈の素因が(3)においては心筋興奮が特定の回路上をグルグルと旋回してしまい、興奮が停止できなくなります。

高周波カテーテルアブレーション

 電気生理検査で不整脈の素因を調べた後に、アブレーション(焼灼)の標的とすべき部位を決定し、さらにアブレーションカテーテルの先端の電極で心内心電図を観察しながら操作して至適部位を再確認していきます。標的部位が決まればそこにカテーテル先端をおき、高周波通電をおこないます。カテーテル先端温度を50℃~60℃程度に制御しながら高周波通電をすると、カテーテル先端付近の約半径5mm程度の心筋が加熱されて変性します。不整脈を根絶するまでこのように高周波通電を数回から十数回繰り返します。

 現在、当院では、発作性上室性頻拍(WPW症候群、房室結節回帰性頻拍)、心房粗動、心房細動、心室頻拍などの不整脈をアブレーションを行っております。

 発作性上室性頻拍や心房粗動はアブレーションにより非常に高い治癒効果がみこまれ、アブレーションによりで不整脈発作が完治するケースがほとんどです。合併症も致死的な合併症は非常に稀です。しかし、残念ながら、心房頻拍や一部の心室頻拍ではアブレーションが有効でなく、アブレーションのみでは根治できないケースもあります。不整脈疾患によってアブレーションの成功率、再発率、合併症発生率は異なりますので、詳しくは受診のうえでご相談ください。

カテーテルアブレーションの施術について


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